5月病は「死んだふり」で乗り切る!? 逃走や反撃が無意味だと判断した場合、仮死状態になる「ポリヴェーガル理論」

五月病
ゴールデンウイークも終わり、中には「5月病の気配かも……」と不安を抱えている方もいるのでは?

そもそも5月病とは、「やる気が起きない」「ネガティブ思考になってしまう」「体が重い、しびれる」「食欲がない」などといった症状が見られる状態のことで、正式な病名ではない。医療機関を受診すると「適応障害」や「軽いうつ」といった診断が下される場合もある。

五月病の原因としては、環境が変わり、人間関係や仕事などが変化したことや、新しく就いた仕事の理想とのギャップ、「入社」という目標を達成し燃え尽きてしまったなどが挙げられるが、ではなぜ、こうした環境の変化が5月病となるのか。その理由として、新しい理論が注目を集めている。

それは、「ポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)」と呼ばれる説。この理論では、これまで自律神経を成しているのは「交感神経」と「副交感神経」の二つだと考えられていたものを、副交感神経をさらに「副側迷走神経」と「背側迷走神経」の二つに分けて捉える。は虫類からほ乳類への進化の過程で、副交感神経(迷走神経)が二つに分化し、より高度な防衛システムを得たという考え方だ。

この「ポリヴェーガル理論」によると、例えばネズミが外敵に襲われた場合、平常時は副交感神経が活性化した安静状態にあったのが、交感神経が活性化し逃走を図ったり反撃したりする。そして、逃走や反撃が「無意味」だと判断した場合、副交感神経が活性化して、硬直状態である「死んだふり」をするとのこと。

この理論に倣うと、5月病は新しい環境が与えられて「戦闘状態」だったのが、5月に入ってこの戦闘は勝ち目がない、あるいは無意味だと気付き、仮死状態に陥っていると考えることができる。
つまり、「5月病」は、ほ乳類の生理に従った、極めて自然な状態ということだ。

そう考えると、やる気が起きない、朝起きられない、体が重いといった状態も納得できてしまうのではないだろうか。

なお、全国健康保険協会によると、5月病にかかってしまったと感じたら、休日に軽い運動をしたり、古くからの友人や家族と会ったりするのが有効だという。

少しくらい憂鬱になっても、自分を責めたりしないこと。“そういうときもある”と受け止め、リラックスした状態で、気負わずのんびりと過ごすのが、五月病の一番の薬になるということかもしれない。