“殺人ダニ”って? 「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を媒介するマダニ、日本中に…今できる対策は

国立感染症研究所は、とりわけシカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に注意を呼びかける

国立感染症研究所は、とりわけシカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に注意を呼びかける

2月25日、”殺人ダニ”が日本中に広がっているというニュースが報じられ、大きな話題を呼んでいます。

これは殺人をおこなうダニの種類があるというわけではなく、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」ウイルスを持ったマダニに刺されることで発症し、死亡例が確認されていることを受け、メディアが”殺人ダニ”と名付けたもの。中国では2009年頃から感染症が発生しており、日本国内では2012年に初めて症例が報告されていました。

その後、国立感染症研究所には九州・四国・中国・近畿地方の13県(宮崎、鹿児島、徳島、愛媛、高知、岡山、島根、山口、兵庫県)で患者が見つかっていたことが報告されていました。日本全体では既に53人が感染しており、その内、23人の方が亡くなっているとのこと。

そして今回、大きく取り上げられたのは、患者が報告されていない地域(三重、滋賀、京都、和歌山、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、栃木、群馬、岩手、宮城県、北海道)においてもウイルスを保有するマダニが確認されたため。西日本中心に報告されていたウイルス保有ダニが、東日本にも生息することがわかったと発表されたことで“日本中に広がっている”かのような印象となりましたが、“新たにわかった”だけで、いきなり増殖しているというわけではありません。

■マダニの生息地

マダニは、民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しています。
なかでも、シカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に多く生息しています。

■身を守る服装

致死率は10%以上というウイルスですが、厚生労働省によると、有効なワクチンはなく、とにかくこのウイルスを持ったマダニに咬まれないようにすることが肝心。野山などではできるだけ肌を出さないようにし、さらにダニが取り付いた時にすぐに分かるよう、白っぽい服装をすると良いようです。

・長袖、長ズボン
・ズボンの裾からダニが入り込めないように、靴下や靴を履く
・首にタオルを巻く
・シャツの袖口は軍手や手袋の中に入れる
・野山には不必要に入らない
・草むらなどでは屈んだり寝そべったりしない

■外出から帰ったら

ダニ類の多くは長時間吸血し、10日間以上にわたるケースもあるそうです。そのため、帰ってきてからも対策が必要。

・上着や作業着は、家の中に持ち込まない
・シャワーや入浴で、ダニが付いていないかチェック

■咬まれたらどうする

【症状】

ウイルスを持ったマダニに咬まれたら、6~14日内に発症し、原因不明の発熱のほか、食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛といった消化器官に症状があらわれるとのこと。

【無理矢理引き抜かない】

マダニは、ノコギリ状の口器を皮膚に突き刺して血を吸います。一度取り付いたマダニを無理やり振り払おうとすると、マダニの一部が皮膚の中に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるとのこと。

万が一、マダニに刺されているのを見つけた場合、無理にマダニを取り除こうとせず、そのまま医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらいましょう。

ちなみに、マダニは春に活発化するといわれます。春のお出かけの際には、十分気をつけるようにしましょう。