「二度寝」は人間の本能? いい二度寝、悪い二度寝 

二度寝

気温が低い冬の朝。布団から出られなくて、あと少し…とついつい「二度寝」。二度寝といえば、「ああ、さっき目が覚めたときに起きていれば…」などと、何故か“罪悪感”さえおぼえてしまうものですが、実は人間は本能的に二度寝するものなのかもしれないという研究結果があるそうです。

BBCニュースが伝えているところによると、1990年代初め。精神科医のトーマス・ベーア氏は、1か月間毎日14時間、人々を真っ暗な部屋に入れる実験をおこないました。その結果、被験者の睡眠パターンは4週間目で「二回に分けて眠る」という、分割型睡眠に変化。被験者たちは4時間寝て目を覚まし、1、2時間過ごしたあとで再び4時間寝るという睡眠パターンになりました。

そして2001年、バージニア工科大学の歴史学者ロジャー・エキリッチ氏が、人間は本来「二度寝」をしていたという歴史的証拠を集めた著書「At Day’s Close: Night in Times Past」を出版しました。これは過去16年にわたる研究をまとめたもので、昔の人は夜中に起きてベッド上で読み書きをしたり、祈ったりするほか、トイレに行ったり、一服したり、近所に散歩に出かける人もいたのだとか。少し寝たあとに活動し、また寝ることは、昔は当たり前だったのです。

エキリッチ氏によると、この「一旦起きてまた寝る」という分割型睡眠の習慣は、17世紀後半頃から徐々になくなっていきます。街灯及び家庭用照明の発達によるもので、1920年代には完全に消滅。人々は19世紀の前に、時間意識と効率に敏感になっていき、産業革命がその姿勢をますます強めました。つまり、“まとまった睡眠時間”と“まとまった勤務時間”に分けることで、時間の効率化を図ろうとしたのです。

睡眠心理学者グレッグ・ジェイコブス氏は、「寝ている最中に目が覚めることは、人間の生理的本能である」とします。人間は、起きている間は、無意識のうちにストレスを規制しているもの。そのため、ジェイコブス氏は分割睡眠をすることがストレスの緩和に役立つのではないかと考えられるとし、まとめて眠るようになったことと、現代社会のうつ病やアルコール依存症などに陥る人の増加は、無関係ではないと分析しています。

二回目の睡眠は“浅い”睡眠なため、かえって疲れるなどといわれます。すでに睡眠が十分なのに二度寝をした場合には、確かに疲れてしまいます。でも、体はまだ休みたいのに、目覚ましやトイレなどで“起きてしまった”場合、二度寝は有効なことも。そういえば、漫画家のやなせたかしさんも、一度起きて食事をとり、二度寝をした後に仕事を開始していたことで知られます。

以上から、まとめて眠れないことや、二度寝をしたからといって、罪悪感をもつ必要はありません。だからといって、目覚まし時計を無視して遅刻するわけにもいかないのが、現代社会のキビしさなのですが…。